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週刊ヤングマガジンで連載中の『アルキメデスの大戦』
2019年8月19日発売の38号に掲載された
最新話、第181話のネタバレです!
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アルキメデスの大戦【181話】ネタバレ
アルキメデスの大戦の立ち読みは・・ここアルキメデスの大戦【181話】
日米交渉に海軍代表として臨席した櫂。
第2回交渉のテーマはソ連について。
共産主義の拡大を危険視するのは日米共通の課題から、これについては協調路線という空気の中、陸軍代表の牟田口少将は「ソ連など恐れていない!」と満州への干渉不要と予想外のことを言い出した。
さらに日本の中国政策に対してアメリカは出て行けと強い口調。
この主張には両国も困惑を隠せない。
実は牟田口の心変わりには、元関東軍参謀長で陸軍航空本部長の東條英機中将の意向があった。
東条から陸軍全権大使を任命された牟田口は、そこで海軍の全権大使に櫂が任命されたことを聞く。
このことは海軍がアメリカとの戦争を回避を望む証左。
海軍の弱腰を批判する牟田口に対して、東條はソ連の共産主義拡大を協力して阻止するつもりから、交渉の冒頭アメリカと共闘をしないよう態度を変えることを命令していたのだった。
一気呵成に陸軍の主張をまくし立て、日米交渉をぶち壊して決裂させる、これが東條の狙いであった。
交渉が決裂すれば対米協調派は一掃されて、櫂は責任を取らされて二度と表舞台には立てなくなる。
そして陸軍協調派の嶋田が後任に就くだろう。
東條は重大な局面に現れる櫂を快く思わなかった。
むしろ二・二六事件の時に殺しておけばとまで考えていたのだ。
回想は終わり再び会議室に戻る。
アメリカは日本に改めて問い質す。
ここで櫂は牟田口の意見は陸軍単独のもので、海軍は協調路線だと主張。
これには牟田口も海軍は引っ込んでいろと櫂との内輪揉めが始まってしまう。
牟田口は陸軍の主張=日本の主張だと一方も引き下がる様子はない。
さすがにアメリカ国務長官のハルも、日本は意見を統一していないのかと怒りが収まらない。
外務省は海軍と意見は一致しているが、陸軍との意見相違があるため時間が欲しいと弁明する。
しかし「日本の態度は不誠実」とアメリカ交渉団に言われてしまうと、日本との交渉の打ち切りを宣言される。
退席するアメリカの交渉団を満足そうな表情で眺める牟田口。
この時、櫂は陸軍の目標が協調ではなく決裂だと気が付いた。
アルキメデスの大戦【181話】
知略に知略を重ねて実現した日米和平交渉が、東條というか陸軍の思惑どうりにご破算になりそうだ。 これから本作が歴史どおりの展開をするのであれば、アメリカは日本に対して交渉の最後に「ハルノート」を突きつけるはずである。
内容は日独伊三国同盟の破棄や、中国をはじめとする日本の権益の放棄および撤退など。 これを断れば日米開戦止む無しという事態。
とにかくハルが最後に激怒して退席を描いたことで、アメリカの方針が日本との協調ではなく対立だという下地が出来てしまった。